店に馳せる想い
■1979年。レストランシンを創業
美空ひばりの出身地である滝頭。ゆずの出身地である岡村のちょうど間に挟まれた丸山町に父、実が創業。息子の名前真を屋号につけました。
元々教師を目指していた父はひょんなことがきかっけで大学の学食を手伝うようになり、料理の道へ進む事を決意。都内のホテルで修行した後、母千恵子とともに創業致しました。創業時に父が開発した「ハンバーグ日本風」は41年間変わらぬレシピ、ソースでご提供し、お客様に一番召しがったいただいているメニューです。父は常々「地元のお客様に愛される店にしたい」と語り、その一途な想いだけで営んできました。
■父のレシピ
しかし2011年2月に父は他界。店を改装した直後の出来事でした。
亡くなる直前「どうなるかわからないが親父の財産は残しておこう」という想いで、私は病床でレシピを聞こうと思いました。
しかし、家族ですら教えなかったレシピを聞き出す事はとても困難なこと。また、それを聞かされたら「俺は死ぬのか」と父に思われると危惧し、「親父、退院してもしばらく店に立てないから、厨房で椅子に座っててよ。その間俺が作るから」と亡くなる一週間前に嘘をついてレシピを教えてもらいました。
父の死後、一度は店を畳もうと思いましたが「やはり親父の魂は伝えていきたい」と、私は10年勤めていた広告会社を辞め、受け継ぐことを決意。
実際に厨房で料理を作ったことはなく、素人同然の私は、父のレシピを元に何度も練習し、父の味を知っているお客様に試食してもらうなど、忠実に味を表現することだけに努めてきました。
お客様から「これなら大丈夫じゃないか」と言われたのが半年後。
不安は残しつつも2011年7月4日に再オープン致しました。
再オープンして8年。父の頃からを合わせると41年になります。
まだまだ父の背中を超えることはできませんが、少しでも多くのお客様に喜んでいただけるよう努めたいと思います。